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食品ロスとオキシガード
~容器機能の向上による社会課題への貢献~

食品ロスの現状

食品ロスとは、売れ残りや飲み残しなど「本来食べられるにもかかわらず捨てられる食品」のことです。食べものを捨てることはもったいないことで、廃棄物が増えて環境にも悪い影響を与えてしまいます。

日本の食品廃棄物等は年間2,550万ton。
その中で本来食べられるのに捨てられる食品「食品ロス」の量は年間612万tonにのぼり、途上国などへ向けた世界の食糧援助量の1.6倍にもなっています。
日本人の1人当たりの食品ロス量は1年で約48kgで、これは日本人1人当たりが毎日お茶碗一杯分のご飯を捨てているのと同じ量に相当します。

食品ロスの削減はSDGsのターゲットにも掲げられており、食品廃棄物の発生を減らしていくことは、国際社会の課題となっています。日本政府は食品ロスの削減を目指した国民運動「NO-FOODLOSS PROJECT」を展開し、官民あげて生活者一人ひとりの意識・行動改革に取り組む一方、食品産業の事業者はメーカーやスーパーマーケットなどそれぞれの立場で食品ロスの削減に取り組んでいます。

食品ロスを減らすために容器ができること

東洋製罐のオキシガードは、中身の鮮度を長期間保てる「オキシガード」技術の導入により、従来の樹脂製容器に比べて賞味期限を延長することができ、無菌化米飯(包装米飯)やベビーフード、惣菜類やコンビーフなど多彩な分野で使われています。

オキシガード容器の機能

私たちが生きていくのに欠かせない空気中の酸素ですが、実は食品にとっては、内容物の劣化の進行を早め、微生物を繁殖させる厄介な存在です。食品は酸化により変色したり、菌の増殖が進んで劣化します。そのため、容器には酸素から中身を守る酸素バリア機能が必要です。
オキシガードは東洋製罐独自のバリア機能で、容器自体に酸素吸収機能があります。
従来はポリオレフィンとバリア材を貼り合わせたプラスチックシートのトレイに、食品と酸素吸収剤を封入して、バリア材のプラスチックフィルムでフタをし、食鮮度を保っていました。オキシガードは容器自体に酸素吸収機能を持たせているから、誤飲・誤食などの恐れがある酸素吸収剤の添付なしで長期保存が可能です。

オキシガードの詳細な機能説明

[東洋製罐本サイト 製品情報]
https://www.toyo-seikan.co.jp/product/foods/plasticcup/okishigardocontainer/#constitution

賞味期限が延びると、どうして食品ロスの削減につながるの?

長く保存できて販売店や家庭で廃棄される量を減らせるから、食品ロスの削減につながります。また、地方の特産品などもおいしいままより遠くの地域に届けられるので、販売チャネルが拡がります。常温での長期保存が可能で、家庭の買い置きや災害備蓄にもぴったりです。
ベビーフードや惣菜などの酸素吸入剤を封入しにくい内容品について、オキシガードを採用することで賞味期限を延長することができました。これにより小売りでの期限切れによる返品が減少し、フードロス削減につながっています。

新しい生活様式への対応

包装米飯生産量(レトルト+無菌)

データ出典:一般社団法人全国包装米飯協会 包装米飯の「生産量」より

災害備蓄で定番の包装米飯は、その便利さから生産量も年々増加しています。さらに、コロナ禍で新しい生活様式が求められるようになり、買い置きをして買い物の回数を減らしたり、災害に備えて備蓄したりする家庭も増えています。これに対応するため、東洋製罐は豊橋工場に新しいオキシガードのシートラインを導入するなど生産体制を強化し、変化するニーズにこたえていきます。

豊橋に導入した新シート成形機

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