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缶の分類

1.缶はその構造により3ピース缶と2ピース缶に分かれます。
2.缶は使用材料の種類によりアルミ缶とスチール缶に分かれます。
3.缶は缶内の圧力により陽圧缶と陰圧缶に分かれます。

2ピース缶と3ピース缶

主な缶は、(1)底蓋・(2)円筒の缶胴・(3)上蓋(飲料缶の場合、飲み口(開け口)の付いた蓋)の3つの部品からなる3ピース缶と、(1)底蓋と缶胴が一体となっている胴部・(2)飲み口(開け口)の付いた蓋の2つの部品からなる2ピース缶との2種類に分かれます。
また胴と蓋(底蓋・上蓋)を接合するために2重巻締という技術を用い、缶の外側と遮断・密封して中身を守ります。3ピース缶は、長方形の缶用スチール薄板を円筒形に丸めて接合しますが、これには2つの方法があり、半田づけする方法と電気溶接する方法とがあります。現在では、半田缶は市場からほとんど姿を消して溶接缶が主流です。2ピース缶は胴部の加工方法により、打抜缶(DRAWN缶、DRAW&REDRAW缶【DR缶】;絞り加工缶)・DI缶(DRAW&IRONING;絞りしごき加工缶)・TULC(タルク)(STRETCH-DRAW&IRONING;引っ張り絞りしごき加工缶)に分かれます。

2ピース缶と3ピース缶

構造 缶名称 成型・接合方法 主な金属材料
2ピース缶
(打抜缶)
打抜缶(絞り缶;DR缶) ドロー(&リドロー) スチール、アルミ
DI缶(絞りしごき缶) ドロー&アイアニング アルミ、スチール
TULC(タルク) ストレッチドロー&アイアニング スチール、アルミ
3ピース缶 半田缶 はんだ付けで接合 スチール
溶接缶 溶接で接合 スチール

アルミ缶とスチール缶

缶詰はその部品の材料にアルミとスチール(鉄)を使用しており、特に缶胴(円筒状の部分)の材質によりアルミ缶とスチール缶の2種に分かれます。
アルミ缶にはaTULC(アルミタルク)・ADI(アルミDI)缶・DR缶があります。スチール缶にはTULC・SDI(スチールDI)缶・DR缶・溶接缶・半田缶があります。
アルミ缶とスチール缶をグループ分けすると下図のようになります。

アルミ缶とスチール缶

缶飲料における内容物と容器の関係

  1. 内容物
    • ミルク入り飲料

      (コーヒー、紅茶など)

    • お茶、果汁飲料など

      +窒素ガス(陽圧化)

    • 炭酸飲料・ビールなど

      内容物に炭酸ガスを含有

  2. 充填方法
    • 陰圧充填製品

      缶の内圧は外気圧より低い(陰圧)状態ですが、剛性で缶の強度を保持しています。

      お吸い物のふた付きお椀のイメージ

      メリット
      信頼性の高い品質保証機能(打検)による高い安全性
      (栄養源豊富なミルク入り飲料に最適です)
      残存酸素が少なく、内容物の品質を守ります。
      (酸素は内容物の品質を劣化させます)
      底が平面 内容物の品質保証機能 (打検)対応
    • 陽圧充填製品

      ガスの作用で缶の内圧が外気圧より高い(陽圧)ため缶の胴が薄くても強度の保持ができます。

      膨らんだ風船のイメージ

      メリット
      軽量化、省資源化
      底がドーム形状(凹み) 内容物の品質保証機能 (打検)対応
  3. 容器の種類

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