- Action環境報告
東洋製罐、本州製罐、琉球製罐、日本ナショナル製罐、東洋製版、福岡パッキング、ジャパンボトルドウォーター、ティーエムパック、東洋製罐グループエンジニアリング、東洋メビウス
東洋製罐事業グループでは、自社からの温室効果ガス(GHG)排出量である直接排出(燃料等の燃焼にともなうScope1)と間接排出(電力使用にともなうScope2)に加え、サプライチェーンの上流及び下流の排出量(Scope3)の算定を試みました。
東洋製罐事業グループの環境ビジョンであるGreen Challenge 2050で、CO2排出量は2050年までに2013年度比50%削減を目指しています。
グループ国内事業所における2018年度のサプライチェーン全体での排出量は、2,392千tonとなり、そのうちScope3の排出量が79%を占めていることがわかりました。
さらに、Scope3の内訳では、購入した製品(カテゴリ1)の割合が約8割を占め、販売した製品の廃棄(カテゴリ12)、輸送配送(カテゴリ4)と続いています。このように購入した製品すなわち原材料の調達にともなうGHG排出量の削減への取り組みがますます重要となります。製品の軽量化、再生材料の利用、植物由来材料の利用などの推進を図っていきます。
エネルギー由来のCO2排出量を削減するため、東洋製罐事業グループでは、省エネ設備への更新や、生産性向上に向けた活動が進み、且つ一般プラスチックボトル事業を分社化したことにより、2018年度の国内CO2排出量は、501千tonとなりました。
引き続き、設備更新、製造ラインの統廃合、生産効率向上などの省エネルギーにつながる取り組みにより、削減に努めていきます。
Toyo Seikan(Thailand)Co., Ltd. では、2019年10月に太陽光発電システムを導入しました。東洋製罐グループとして、タイ国初の設置となります。屋上に設置した1,134枚の太陽光パネルにより、出力374kW、年間発電量530MWhが見込まれ、約280ton/年のCO2排出量の削減につながります。今後も東洋製罐事業グループでは、温暖化対策の一つとして再生可能エネルギーの導入推進を行っていきます。
東洋製罐事業グループの物流に関するCO2排出量は、新型トラック導入など輸送効率が向上したことや西日本豪雨の影響で輸送量が減少したことにより、2018年度が40,231tonと前年より減少となりました。
引き続き、モーダルシフトの活用などを進め、CO2削減に取り組んでいきます。
東洋メビウスは、2018年11月27日モーダルシフト取り組み優良事業者公表・表彰(主催:一般社団法人日本物流団体連合会)において、モーダルシフト最優良事業者賞(大賞)を受賞しました。専用31フィートコンテナを開発し、2017年12月から関東〜関西間の缶蓋製品輸送においてトラック輸送から鉄道輸送へのモーダルシフトを実施。輸送品の特性に配慮しつつ、環境負荷低減とトラックドライバー不足などの問題解決につながったことが評価されました。今回の受賞を機にさらなる環境負荷低減に向けて活動に取り組んでいきます。
東洋製罐事業グループでは、各事業所から排出される廃棄物の削減と再資源化に取り組んでいます。
2018年度の廃棄物総排出量は、前年度と同様に廃プラスチック市況の影響で有価での売却が減少したため、増加する事業所の多い傾向が続いています。しかし、グループ全体では廃棄物排出量の多い事業の撤退により、前年度比17%の減少となりました。また、埋立量に関しても同様に前年度よりも87%減少しました。
今後も更なる環境負荷低減を追究し、廃棄物の削減に取り組んでいきます。
東洋製罐グループではEco Action Plan 2030において、水使用量30%削減を目標として掲げました。東洋製罐事業グループとしても、Green Challenge 2050にて水使用量の半減および水のリスク評価などをビジョンとして掲げています。
東洋製罐事業グループの各事業所では、製品の洗浄・冷却などに水資源を利用しています。水資源の効率的な利用と効率的な生産、排水の再利用などに取り組み、2018年度の水使用量は3,354千m3と前年度からさらに減少しました。
また、排水管理は各事業所で排水基準の規制値よりも厳しい自主規制値を設定し、排水処理を行った後、海や河川など地域に戻しています。今後も処理効率の向上や排水の化学物質の管理を徹底し、水質汚濁の防止と水資源の保全に努めていきます。
プラスチック製品の原料である樹脂ペレット(数㎜の大きさ)が、工場敷地外へ漏出してしまうと海洋プラスチックごみとなってしまいます。東洋製罐グループのプラスチック製品の製造会社では、従来より、作業中にこぼれた樹脂ペレットが雨水溝から敷地外へ漏出しないよう、金網を設置するなどの対策を実施してきましたが、今般、漏出防止の管理を徹底するために、「東洋製罐グループ樹脂ペレット等漏出防止ガイドライン」が策定され、各社の環境マネジメントシステムの中で、管理することとしました。
ペレット捕集用スクリーン設置例(雨水枡)
水に関する事業活動への影響を把握・軽減していくため、水リスクの見える化に取り組んでいます。2018年に実施したAqueduct評価ツールを活用した評価では、東洋製罐事業グループの国内外の主な生産拠点のある地域で、高リスク評価の事業所はありませんでした。2019年は、東洋製罐グループとしての事業所における水管理状況を把握するため、国内77の生産拠点を対象にアンケート調査が行われ、東洋製罐事業グループとして調査に協力しました。この結果と調査結果から得られた専門家のアドバイスもとに、削減目標の設定や、節水以外の施策を検討し、水資源の保全活動につなげていきます。
水リスクの概要書とアンケート
東洋製罐グループにおけるPRTR法対象物質排出・移動量のうち約3割は、フィルム製品のインキ・溶剤に含まれるトルエンです。フィルム製品の生産が増えている中、これまでもトルエンフリー材への切り替えを進めていましたが、2018年度はさらに多くの品種で切り替えが進んだことで、排出・移動量を削減することができました。
東洋製罐事業グループは、容器を通じて環境を学んでもらおうと、次代を担う子供たちへの教育支援活動として、小・中・高等学校を対象にした出前授業を実施しています。また環境イベントへの参加などを行っています。
川越市立野田中学校
越谷市立大袋東小学校
川越市立野田中学校
越谷市立大袋東小学校
東洋製罐では、大崎フォレストビルディング1F「容器文化ミュージアム」の夏休みイベントに合わせて、環境啓発を目的とした外部向け環境教室を開催しました。小学校4~6年生を対象として、「海ごみとプラスチック」をテーマに、暮らしの中のプラスチックや海ごみの発生メカニズムについて学び、それぞれが考える海ごみを減らす取り組みを発表しました。ペットボトル用のオリジナルラベル作成とシュリンクの実演など、親子で興味を持って頂けたようでした。
講義の様子
ラベルのシュリンク実演
子供向けのキッズサイト「容器を学ぼう」は、東洋製罐グループのキッズサイトとしてリニューアルいたしました。これまでの東洋製罐の各容器の役割、歴史や環境についての豆知識、自由研究ワークシートなどの情報を整理し、グループの容器情報を追加しました。今後は、グループ各社のコンテンツを徐々に充実させ、容器の特徴や魅力を発信していきます。
[東洋製罐グループホールディングス、東洋製罐、東洋ガラス、東罐興業]
しながわECOフェスティバルは、地域の団体などの環境活動をアピールし、環境問題を通して世代間の交流の輪を広げる目的で毎年5月に開催されています。2019年は東洋製罐グループホールディングス、東洋製罐、東洋ガラス、東罐興業の4社で出展し、容器のエコを紹介し、あき缶釣り、パウチを使ったバッグ作りなどを行い、地域の方々と直接交流し、容器に親しみを持っていただける良い機会となりました。
昨今、プラスチックごみによる海洋汚染の解決策として脱プラスチックが注目されるようになりました。東洋製罐は、プラスチック製品への再生プラスチック・生分解性プラスチックの導入やペレットの流出防止の取り組み以外に、プラスチックごみを少なくする取り組みとして、美化活動にも力を入れています。
2018年よりごみ拾いアプリ「ピリカ」を活用し、これまで個々の事業所で地道に行っていた美化活動が、パソコンやスマートフォンから簡単に投稿・閲覧できるようになりました。東洋製罐グループの企業サイトにおいて、各社、各事業会社、いろんなグループが全国で活動している様子が分かります。東洋製罐は全事業所および事業グループに参加を呼びかけ、活動に賛同した事業所の美化活動の様子を公開しています。取り組みを社外に向けて情報発信するだけでなく、交流の場となるように引き続き取り組んでいきます。
ごみ拾いアプリ「ピリカ」
東洋製罐グループホールディングスのページ
https://www.pirika.org/u/5256552586149888